【2本のロープ+なわとび+ダンス+アクロバット=ダブルダッチ】
ダブルダッチチームの【HARIBOW】がBGT2024で日本人の決勝進出に一番乗りを果たしました!
前代未聞の「観客のゴールデンブザー」で感動を呼んだHARIBOWとは?
彼らのプロフィールやメンバー構成、ネットや審査員の反応はいかなるのもなのでしょうか?
長年アクロバットパフォーマンスに関わって審判員も行い、エンタメ大好きな管理人が、彼らのルーツと魅力を徹底調査!
今回はスゴ技の解説もちょっと含め、整理整頓してお伝えします!
【結果】BGT2024決勝が終わりました!【HARIBOW】は11位でした!
そしてついに決勝の日がやってきました。
【HARIBOW】はなんとこの日のトップバッターだったようです。
まずは演技を見ましょう!
このステージで使われた楽曲は以下の3曲です。
〇Get Offa That Thing(District 78Remix)James Brown
〇Mi Gente (Steve Aoki Remix)J Balvin, Willy William, Steve Aoki
〇You Make Me Feel(Mighty Real)Adam Lambert, Sigala
そして最終順位は以下のとおりでした。
演技順 | 名前 | ジャンル | 備考 | 最終順位 |
1 | HARIBOW | ダブルダッチ | オーディエンスGB | 11 |
2 | The Trickstars | ドッグアクター | ワイルドカードで決勝進出 | 5 |
3 | Abigail & Afronitaaa | ダンスデュオ | 3 | |
4 | Alex Mitchell | コメディアン | 8 | |
5 | Trixy | マジシャン | 6 | |
6 | Innocent Masuku | シンガー | 4 | |
7 | Ssaulabi Performance Troupe | アクロバット | 10 | |
8 | Northants Sings Out | コーラス | 9 | |
9 | Mike Woodhams | 物まねシンガー | 7 | |
10 | Jack Rhodes | マジシャン | 2 | |
11 | Sydnie Christmas | シンガー | アマンダ・ホールデンのGB | 1 |
HARIBOWの11位は残念でしたが、YouTubeのコメント欄には「出場順で損をした」という意見もチラホラ見受けられましたね!
みなさんはどうお感じになりましたか・・・?
【HARIBOW】の予選・準決勝・決勝のパフォーマンスを比較してみました・・・
さすがに11位はちょっと悔しいという想いもあって(笑)、決勝での【HARIBOW】の演技内容が予選・準決勝にくらべて落ちたのかどうかを管理人は確認したくなりました。
そこで、演技の種類を便宜的に5つに分類し、その「数」をステージごとの表にしてみましたのでご覧ください。
※ロープを越えないアクロバットやダンスは含みません。
演技の要素 | 予選 | 準決勝 | 決勝 |
①宙返りによるアクロバット | 5 | 8 | 8 |
②宙返りを含まないアクロバット | 3 | 4 | 5 |
③ロープを跳んで行うダンス&ステップ | 8 | 8 | 8 |
④ターナーがロープで行う技 | 0 | 0 | 1 |
⑤ジャンパーが2人以上で行う技 | 1 | (1) | 1 |
こうして見ますと、演技内容は落ちるどころか【予選<準決勝<決勝】と充実していっているように思えますよね。
ただ、どうしてもアクロバティックな演技というのは、何度も観ると技の難しさに慣れてしまい、初めて見たときには驚いた技も、2度目3度目には「あの技、前にも見たよね。」「そだね。」で終わってしまうことが多いと思います。
つまり、同じ技なのに何度も観ることで「難しさの価値が下落していく」という現象が、アクロバットを見た観客側には起こります。
その結果、次々と難度を大幅に上げていかないと観客は納得してくれなくなるんですね。
今回の結果は、もしかすると【HARIBOW】が用意した「内容グレードアップ」よりも「難しさの価値の下落」の幅が大きかったのかもしれません。
しかし生放送では当然制限時間もあるでしょうから、演技の要素を詰め込むのにも限界はあります。
このような条件下で【予選<準決勝<決勝】というグレードアップを観客がそのまま受け止めてくれるためには、
①かなり大きな幅で内容のグレードアップを行う あるいは
②技の難しさ「以外」の部分でグレードアップまたは差別化を行う
・・・みたいな工夫が必要になるかと思います。
②については、たとえば演技の中にストーリーを導入したり、喜怒哀楽が感じられるような構成にしたり・・・というような工夫が挙げられます。
これは単にオーディションで勝つためだけにではなく、エンターテイナーとしての幅を持つうえで大切なモノなのではないでしょうか。
今回のBGT出場ではさまざまな成果が得られたかと思いますので、これらを糧にしてまた【HARIBOW】の新しいページを書き足していってほしいと思います!
日本人ダブルダッチチーム【HARIBOW】が行う「ダブルダッチ」とは?
”ダブルダッチ”は2本のロープを使って行うなわとび競技なのですが、そのネーミングは300年前のニューヨークに入植したオランダ人が行った「2本のロープで行ったなわとび」なのだそうです。
「オランダ人(Dutch)が2本(Double)のロープを使って、なんか変わったことやってる~!」という印象が”Double Dutch”という言葉を生んだわけですね。
その後1974年に「第1回ダブルダッチ・トーナメント」がニューヨークで開催されたことを皮切りに全米で人気のスポーツのひとつとなりました。
ちなみにロープを回す人を「ターナー」、ジャンプする人を「ジャンパー」と呼びます。
ちょっとした場所と2本のロープさえあればできるので、広い場所や高価な器具などが要らない「手軽さ」も普及の要因だったのではないでしょうか。
日本では1996年に「日本ダブルダッチ協会(略称:JDDA)」が発足し、その普及に努めることになります。
現在、競技としてのダブルダッチには「スピード」「規定」「フリースタイル」「フュージョン」の4種目があり、フュージョン以外の3種目にはそれぞれ「シングルス(ジャンパーが1人)」と「ダブルス(ジャンパーが2人)」があります。
「フュージョン」には人数制限がなく、音楽をともなって制限時間内にさまざまな演技を行います。
もちろん今回BGTで【HARIBOW】が行ったのは「競技」としてのダブルダッチではありませんが、その形式としては「フュージョン」が最も近いと思われます。
まずは【HARIBOW】の1次予選をどうぞ!
ではさっそく【HARIBOW】がBGT1次予選(オーディション)で行った演技を観てみましょう!
素晴らしかったですね!この演技で使われた楽曲は、
①DAY1(雅&ユクセック)
②Shape Of You(Ed Sheeran)
③I Felt It (Leftwing:Kody)
の3曲ですが、①雅&ユクセックは日本とフランスのミュージシャンのコラボ、②③はご当地イギリスのミュージシャンです。
これら3曲が「序・破・急」になっているような構成ですが、エド・シーランの「破」で観客はもう大興奮でしたね!
ダブルダッチのリズムの変化やバラエティーのあるアクロバティックな動きを、地元の人気ミュージシャンの楽曲に乗せて展開させていく。
最後はダブルダッチ種目の「スピード」のテクニックでしょうか?
シンプルな速いテンポで観客のボルテージを最高潮に導く、計算しつくされた素晴らしいステージだったと思います!
前代未聞の「オーディエンス・ゴールデンブザー(GB)」とは?
この2024年のBGT(series17)では、それまで審査員と司会者の1人(組)に1回だけ許されていたゴールデンブザーを押す権利が拡大され、合計9回のGBが想定されていました。
2024年BGTのゴールデンブザーは以下のとおりです!
パフォーマー名 | ジャンル | GBプレゼンター:回数 |
Sydnie Christmas | シンガー | アマンダ・ホールデン:1回目 |
Ssaulabi Performance Troupe | テコンドー | アント&デック |
Ravi’s Dream Team | コーラス | アリーシャ・ディクソン:1回目 |
Cyberagent Legit(日本) | ダンスチーム | サイモン・コーウェル:1回目 |
Phoenix Boys | ダンスチーム | ブルーノ・トニオリ:1回目 |
Nabe(日本) | コメディアン | アマンダ・ホールデン:2回目 |
Duo Stardust | ローラースケート | サイモン・コーウェル:2回目 |
Taryn Charles | シンガー | ブルーノ・トニオリ:2回目 |
●アリーシャ・ディクソンに 2回目のGBがないことは疑問 | ||
HARIBOW(日本) | ダブルダッチチーム | ★オーディエンス・ゴールデンブザー |
【HARIBOW】の演技が終わったところですでにGBは出尽くしていたようなんですが、会場はGBを要求する声が鳴りやみません。
ブルーノ・トニオリ審査員がコメントを始めますが、それも歓声に打ち消されて途中で諦めてしまいますね。
サイモン審査員が【HARIBOW】の演技をGBに十分すぎる素晴しい内容だったことを認めて、客席にいる自分の息子エリックとアマンダ審査員の次女ホリーに「君たちが押しなさい」とうながし、初の「Audience Golden Buzzer」となりました!
表をご覧いただければわかりますが、日本人出場者が9つのGBのうち3つをとる快進撃です。
準決勝が楽しみですね!
【HARIBOW】のメンバーは何人? どんな経歴の人たち?
ではここで【HARIBOW】の5人のメンバーをご紹介しましょう!
愛称 | 本 名 | 出身地 | 生年 | 開始時 | 得意分野 | 業績など |
JUNYA | 坂田潤弥 | 千葉県 | 2000 | 高校生 | ダンス | 国内学生大会パフォーマンス準優勝、国際大会で3位 |
UNNO | 海野鷹幸 | 長野県 | 1999 | 高校生 | アクロバット | 国内学生大会パフォーマンス優勝 |
RYU-SUKE | 松澤竜介 | 千葉県 | 2001 | 高速ステップ | 高校生で世界大会出場、大学で3位 | |
MAHORO | 井畑真秀 | 神奈川県 | 2002 | 中学生 | アクロバット | 高校生で世界一、大学でサークルの日本一 |
SHUHEI KATO | 加藤周平 | 長野県 | 2002 | ハウスダンス | 大学でサークルの日本一、全国大会出場 |
やはり日本のトップ選手が集まっていたんですね!
表の右端「業績など」の欄には、今後は「2024年BGTで初のAudience Golden Buzzer」とか「2024年BGTでファイナリスト」などという文言が加わる予定です(笑)。
【HARIBOW】の準決勝の演技は? そして審査員の反応は?
準決勝も盛り上がりました!
第2夜に登場した【HARIBOW】のために作られたステージは、アニメ「攻殻機動隊」を連想させるような「近未来の夜景」にレーザーがきらめく、まるでサイバー空間のようなバックです。
踊る【HARIBOW】のコスチュームは意外なことにジャージなんですが、それもステージの基調色と合わせたブルーでコーディネイトされていました。
ダブルダッチは路地裏でも行える気軽なレクリエーションという一面もありますが、1次予選(オーディション)のときのシチュエーションが「現代のストリート」だとすると、この準決勝のシチュエーションは「近未来のストリート」なのかもしれませんね。
これも見応えありましたね!
使われていた楽曲は以下の2曲でした。
①It’s Like That(Run D.M.C.)
②I’m Coming Out(Diana Ross)
詳細は未確認ですがYoutubeのコメント欄には、
「準備していた曲が直前にBGTから使えないと言われて、1週間でよく、このパフォーマンスを作った! それもノーミス。素晴らしい!」
というコメントがありました。
私は「予選では3曲で『序破急』を構成していたのに、準決勝ではなぜ2曲なんだろう・・・?」と、ちょっと不思議に思っていたのですが、そのような問題に急遽対処した結果の選曲だった可能性がありますね。
「BGTから使えないと言われて」というのはおそらく楽曲の権利問題で、作曲者や著作権管理事業者から、予定していた楽曲の使用許諾が下りなかった可能性が考えられます。
同様のアクシデントは2023年AGTのアバンギャルディの決勝でも起こっていますが、このときは本番4日前に原曲ではなくカバー曲での使用許諾が下り、4日間でカバー曲の音源を修正しながら踊りを合わせていったようです。
さて、この夜の視聴者投票の結果、グループ内1位通過はマジシャンの【Jack Rhodes】が獲得。
詳細はまだ確認できていませんが、2位通過はアリーシャ審査員のGBである【Ravi’s Dream Team】と、オーディエンスGBの【HARIBOW】との「審査員投票」になったようです。
この投票が2対2のタイとなったようで、最終的には再度アプリによる決戦投票が行われ、その結果【HARIBOW】が勝利し、2位通過が決定したようです。
ものすごい接戦だったようですね!
この演技に対して審査員たちは、どんな表現でコメントしていたかというと・・・
アリーシャ審査員:「あなたたちは屋根を突き抜けた」(=群を抜いていた)
アマンダ審査員:「オーディションより良かった!実はそう言えるとは思っていなかったけど。」
ブルーノ審査員:「君たちはバーを限界まで上げた!」
サイモン審査員:「オーディションの話に戻るけど、BGT史上最高の観客の反応だったよ!」
・・・という感じでベタ褒めでしたね。
決勝の順位はそれまでの成績とまったく関係なく、決勝のパフォーマンス1発だけで決まりますから、どのように入れ替わるかはわかりません。
決勝がますます楽しみです!!
管理人が選んだ【HARIBOW】のアクロバット技を1つだけ解説
管理人の印象に残ったアクロバットは、1次予選での「ロンダードからのサイドフリップ(側方宙返り)」なんですが、これはやはりBGTスタッフの目にも留まったようで、スロー再生に編集され強調されていましたね!
技の難しさそのものは「スゴ技」と言うほど難しい技ではないんですが、技のさばき方が素晴らしく、誰が見ても印象に残るようなさばき方をしています。
ではどこが凄いさばき方なのかというと、具体的には⑦⑧⑨のあたりの「滞空時間の表現」が非常に素晴らしい出来だと思います。
おそらく視線は踏み切った辺りを見ているかと思いますが、これは⑥で踏み切りの方向がきちんと上に向いているからこそできるさばき方なんですね。
もし⑥で背中がもう少し後ろに倒れているような状態だと、⑦⑧⑨のような余裕ある技さばきはぜんぜんできず、すぐに⑩⑪⑫の「回転」に入らなければなりません。
多くの人が宙返りについて「空中で回って着地ができること」を「できた!」と思いがちですが、プロのパフォーマーを目指すのであれば、ぜひこのMAHOROのおこなっているような宙返りを目標にしてもらいたいなぁと感じました。
・・・ちなみに⑥の踏み切り姿勢が⑯のように低い姿勢の初心者が、⑦⑧⑨をマネすると大ケガをするだけなので、絶対にマネしないでくださいね。
本当によいものを見せてもらいました!
【HARIBOW】の決勝はいつ?演技順は?
決勝は現地日付けで6月2日になります。
演技順は当日にならなければわかりませんので、6月2日を待ちましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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